カタン、と騎空挺の窓のあたりから音がした。
こんな夜更けに何事かと、カトルは訝し気に覗き見るが、それは一羽の白い鳩だった。
「飛べないんですね。怪我をしてるみたいだし…。」
白い羽の付け根を赤く染めて、小鳩はカトルの手の中で震えていた。
「まだ起きていたのか。物音がしたと思って見に来たのだが…。」
寝間着姿で軽装のシスが様子をうかがいに来たようだ。
「ああ!ちょうどいいところに!この子、怪我しちゃってるみたいなんです。応急セットみたいなものがあるといいのですが…この通り両手が塞がってまして。」
「わかった、俺が取ってこよう。」
メモ 家族 膝枕 冷めたコーヒー