障碍者年金の受給が決まった。
まさか自分がそんな立場になるなんて、10年前の自分は想像していただろうか。
ただ何気なく暮らして、何気なく結婚して、子供を産んで、死んでいくだけの何気ない人生を終えていくと思っていた。
たくさんのお金やものはいらなかった。
他人と一緒でよかった。他人と一緒がよかった。
ーーー本当にそうだろうか。
若いころの私は、兎に角人と違ったことがしたくて反発して反抗して、今思うと恥ずかしいくらいに個性を追い求めていた。
その代償が現在の私の状態なのではないだろうか。
過去を否定しているわけではない。
それも現在の私を形作る軌跡なのだから。
何気なく平穏に暮らしたい、と思い始めたのもごくごく近年の事であって、だんだん30代辺りになるとそういう思考にシフトしていくのは大抵みんな同じで、